「白内障」と「眼内レンズ手術」について手術を受けられる方のために詳しく解説しています。
手術したあと眼内レンズは一生そのままですか?
合併症を併発しないかぎり、挿入した眼内レンズをとりだすことはありません。
また特別な手入れなどは必要ありません。 眼内レンズの素材は40〜50年以上もつといわれています。
手術をしたあと眼鏡はいらなくなるのですか?
昔の白内障手術のように眼内レンズを入れない場合と違って、眼内レンズ手術では眼鏡がなくても良く見えますが、
より良い視力を得るためには眼鏡を併用した方がよいでしょう。
眼内レンズの場合、若い頃の水晶体と違って「ピントを前後させる力(= 調節力)」がありません。
したがって老眼の進んだ状態と同じで「眼内レンズのピントが遠くにあった目」では遠方はハッキリみえますが手元がボヤけてしまいます。
逆に「眼内レンズのピントが近くにあった目」では、手元はハッキリみえますが遠方がボヤけてしまいます。つまり、よりハッキリと遠く、
よりハッキリと手元を見えるようにするには、それぞれの使用距離に度数を合わせたメガネを併用していただくとよいわけです。
入院手術と通院手術はどちらがいいの?
通院手術でもよい場合
病院の近くに住んでいて通院しやすく、すぐに医師と連絡できて指示通り対応できる。
手術後の点眼治療や安静の必要性、手術後の注意事項について十分に理解して実践できる。
同居家族がおり、万が一の場合にも対処できる
入院手術の方がよい場合
遠方にお住まいの方、足が不自由などで通院の大変な場合。
術後のことが心配な方
一人住まい 他に病気のある方、緑内障などとの同時手術をおこなう場合
やむをえず従来の手術方法(水晶体嚢外摘出術など)で手術をおこなう場合
手術は早いほうがいいのですか?
あまり放置しすぎると他の病気を併発したり、手術に時間がかかることもあります。
合併症がなければ急ぐ必要はありませんが、最近は手術が楽に受けられるようになり、早期に手術をされる方が増えています。
手術時期については決して素人判断せず、専門の医師の診察を受けて相談するようにしましょう。
手術をしたあと、また悪くなることはないのですか?
手術で水晶体を除去するわけですから、白内障そのものが再発することはありませんが、手術では水晶体嚢を残してその中に眼内レンズを固定するため、
手術後に水晶体嚢が濁ってくると、再び白内障が進んだような見え方になることがあります。(=後発白内障)
この場合、Nd/YAGレーザー治療により、混濁した水晶体嚢を破る(吹き飛ばす)ことで、比較的簡単に治療することができます。
Nd/YAGレーザー治療は外来通院で2〜3分程度の時間で終了します。ーザーをあてるだけなので、痛みはありません。
後発白内障は、白内障手術後の数週間から数年の間に約15〜25%の人に生じるとされています。
手術をしてもあまりよくならなかったという話を聞きましたが・・・
網膜や視神経など他の部分が傷んでいると、フィルムの悪いカメラにいくら良いレンズを付けても写りが悪いのと同じで、
白内障手術だけでは良好な視力を得られない場合があります。
そのため、手術前に眼底検査、網膜電位図、超音波断層検査などで網膜や視神経の状態を調べますが、白内障の混濁が強いと網膜や視神経の働きが術前に
予測できないこともあります。
手術後の気になる症状(手術前の眼鏡があわない)
眼内レンズ手術をすると、必ずといっていいほど手術前と眼鏡の度数がかわります。
手術方法などにもよりますが、術後もしばらくは度数が不安定で、安定するまでに数週間から数ヶ月かかるとされています。
したがって、目の状態が落ち着いたら、医師と相談して眼鏡を作成するようにしてください。
手術後の気になる症状 (目の前にゴミが映って見える、目を動かすたびに小さな陰が見えるetc.=飛蚊症)
水晶体の濁りをきれいに除去しても硝子体の部分は以前のままのため、硝子体混濁による「飛蚊症」の症状は白内障手術によって改善するものではありません。
むしろ、今まで霞んで見えていたので気にならなかった「飛蚊症」が、手術後にかえって気になることすらあります。
こういった「飛蚊症」の症状は、ブドウ膜炎や網膜剥離といった硝子体混濁をきたす疾患の前駆症状であることもありますが、
たいていは年齢的な硝子体の変化(もともとゼリー状で目の中に詰まっていたものが部分的に液化して目の中で動くようになる)により、
生じる生理的なもので、白内障の有無、手術の結果とは関係ありません。ただし、心配ないものかどうかは眼底検査をしてみないとわかりません。
まれに白内障手術後に網膜剥離や眼内炎をおこしたときなどにそういった症状がでることがあります。手術後に「飛蚊症」の症状が増えてきた場合などには、
必ず医師に伝えて眼底検査を受けるようにしてください。個人差はありますが、生理的な「飛蚊症」の症状は時間とともに気にならなくなってきます。
サングラスをかけたり、部屋の電気を暗くしたりすると気になりにくくなります。一般に極端に神経質な方ほど、長い間症状を訴える傾向があります。
手術後の気になる症状 (最初はよく見えていたが徐々に視力が落ちてきた)
もっとも多いのは水晶体嚢の濁りがでてくることによる「後発白内障」の症状です。
後発白内障は手術結果に関係なく、手術後の数週間から数年の間に約15〜25%の人に生じるとされています。
後発白内障の場合は、Nd/YAGレーザー治療により、混濁した水晶体嚢を破る(吹き飛ばす)ことで、比較的簡単に治療することができます。
Nd/YAGレーザー治療は外来通院で2〜3分程度の時間で終了します。レーザーをあてるだけなので、痛みはありません。
網膜や視神経、角膜など他の部分に病気を新たにおこしてきたことも考えられますし、まれに術後の細菌性眼内炎などを発症することもあります。
したがって、必ず医師の診察を受けるようにしてください。
手術後の気になる症状 (まぶしく感じる、暗いところで光がにじむ)
眼内レンズの素材はPMMA、アクリル樹脂、シリコンなどでできていますが、人間のもとの水晶体と違って、眼内レンズの光学的な性質上、
光の入り方、明るさなどの条件によって、グレア(まぶしくギラギラする)やハロー(周囲の光輪、にじみ)などを生じることがあります。
白内障で濁った水晶体から、透明な眼内レンズでの見え方となるので手術後しばらく気になる方が多いようですが、
しばらくするとあまり気にならなくなる方がほとんどです。これらの症状が気になる場合、眼鏡もしくはサングラスの装用、
部屋などの明るさの調整だけで対処できる場合も結構あります。
眼内レンズの光学的性質により生じるものであれば心配ありませんが、まれに術後炎症(遅発性眼内炎)、角膜ビラン、点眼剤アレルギー、
後発白内障などが原因で、それらの症状を生じることもあります。こういった症状が気になる場合、必ず主治医の診察を受けるようにしてください。
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