いずれの合併症も治療により改善しますが、万が一生じた場合にすぐに適切な処置をおこなわず放置すると、視力障害などの後遺症が残る場合があります。決められたとおりにお薬を使用して、手術後の検診を指示どおり受けるようにしてください。
近視への戻り・低矯正・過矯正
治療後、正視の状態になっても、しばらくして度数が変化して、やや近視側に戻ることがあります。強度近視の人、ハードコンタクトレンズを長期間装用されていた方に多い傾向があります。その場合でも手術前の度数まで戻ることはまずありませんが、もし近視の戻りの程度が強い場合、あるいは低矯正・過矯正の場合は、角膜の厚みが十分に残っていれば再手術可能です。
当院で使用している機種によるウェーブフロント・レーシックによる近視矯正では1年後にも98%の人が1.0以上、残りの人も0.7以上の視力を維持しています。
(米国FDA Clinical study 2003より抜粋)
角膜上皮剥離・上皮欠損
手術中あるいは手術後に角膜表面の上皮が一部むけてしまうことがあります。以前に角膜に傷を入れたことのある方に起こりやすい傾向があります。程度によっては一時的に痛みが強くなり、視力の回復に時間がかかることがあります。
フラップのズレ
手術後早期に目をこすったり、強く目をぶつけたりするとフラップがずれることがあります。すぐに整復すれば問題ありませんが、視力低下や感染の原因になります。
フラップ形成不全
フラップ作成時にレーザー照射に十分なフラップが出来ない場合には3ヶ月以上手術を延期して再手術をおこないます。過去に旧式のマイクロケラトームで施術した場合にときどきみられた合併症でしたが、現在使用されている新世代のマイクロケラトームではまずおこることはありません。
フラップ下への角膜上皮細胞迷入
非常にまれですが、フラップの下に角膜上皮細胞が侵入して増殖することがあります。万が一、起こった場合はフラップ下の洗浄が必要になります。
感染・角膜潰瘍
角膜上皮が完全に修復するまでの間は、無理をすると傷口から細菌が入って感染症をおこす可能性があるので注意が必要です。手術前後に処方する抗菌剤点眼薬を指示どおり使うようにしてください。
層間角膜炎
手術後から1週間ぐらいまでの間に発症するフラップ下に白濁が起きてかすみや視力低下をきたす合併症です、イントラレーシックの場合は高率に発症します。大半は点眼薬や内服薬の治療で押さえ込むことができますが、まれに悪化した場合はフラップ下の洗浄が必要になります。
ステロイド緑内障
手術後、炎症をおさえるために使用するステロイド薬の副作用で眼圧が高くなり、緑内障をおこすことがあります。短期間の使用であればステロイド薬の中止とともに眼圧も下がるので心配ありませんが、長期の使用では定期的な眼圧チェックが必要です。
照射ズレ
レーザーの照射がずれると不正乱視をきたし、良好な視力を得られなく可能性があります。
当院では手術中の目の動きを自動的に追尾する3Dアイトラッキングシステム(ActiveTrack TM)により、照射ズレを防止しています。当院ではウェーブフロント・レーシックにより、他院で照射ズレによる不正乱視を生じた症例の再手術にも対応することが可能です。
角膜拡張症(ケラトエクタジア)
角膜を過度に薄く削った場合、薄くなった部分が前に飛び出してくる可能性があります。これを角膜拡張(ケラトエクタジア)といい、強度の乱視や近視化を引き起す原因になります。
そのため、手術前の検査で角膜厚が十分にある人しかLASIKを受けることができません。