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急性カタル性結膜炎 |
充血、目脂、腫脹、異物感、灼熱感、痛痒感 |
細菌感染 刺激 |
一般的な結膜炎 感染らない |
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流行性角結膜炎 |
強い充血、流涙、目脂少、眼瞼腫脹 |
アデノウィルス8型 |
はやり目、伝染する |
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咽頭結膜熱 |
充血、流涙、目脂、発熱、咽頭炎 |
アデノウィルス3型 |
プールを介し、小中学生に多発する、感染する |
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急性出血性結膜炎 |
充血、球結膜に出血、目脂、激しい異物感、眼瞼腫脹 |
エンテロウィルス70型 |
アポロ11病、伝染する |
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フリクテン性結膜炎 |
角膜縁に水様少結節、部分充血、まぶしさ、異物感 |
過敏反応 |
再発しやすい |
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カタル性角膜潰瘍 |
部分充血 自覚症状はあまりない |
結膜炎の経過中に起こる |
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翼状片 |
鼻側から角膜に向け三角形に充血 |
不明(外的刺激) |
進行性、野外労働者に多い |
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上強膜炎 |
紫色の部分充血、疼痛、異物感、流涙 |
結膜、リウマチ等 |
再発しやすい |
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角膜実質炎 |
まぶしさ、流涙、疼痛、視力障害 |
先天性梅毒 |
虹彩炎、強膜炎、緑内障を併発 |
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匐行性角膜潰瘍 |
強い充血、眼痛、頭痛、視力障害 |
細菌感染 |
慢性涙のう炎のある人に好発。「つき目」 |
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ブドウ膜炎 |
毛様充血、まぶしさ、流涙、眼痛、視力障害 |
細菌感染、結核、リウマチ、糖尿病など |
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急性カタル性結膜炎 流行性角結膜炎 フリクテン性結膜炎 翼状片 ブドウ膜炎
目が赤くなるのは最もよくみられる目の症状のひとつです。「目が赤いから結膜炎だ」と考えられがちですが,一枚に決めつけるのは危険です。もちろん結膜炎の場合が最も多いわけですが,目の奥の失明につながるような重篤な病気の場合もあるからです。また結膜炎といっても,伝染性のものかそうでないのかが非常に重要なことです。そこで「目が赤い」という症状をもう少しくわしく分けてみましょう。まず最初に出血と充血を区別してください。出血は球結膜(しろ目)の下の血管が破れ出血したもので,部分的にすき間なく赤くなります。これは球結膜下出血といわれ,見た目ほど驚くような病気ではありません。充血は球結膜の血管を流れる血液の量が多くなるため血管が太くなっている状態です。充血の状態もよく見ると,球結膜全体に充血が広がり,充血の程度が角膜より離れるほどひどいもの(結膜性充血),球結膜のある部分だけが充血しているもの,角膜のまわりはど充血がひどく角膜から離れるほど弱くなるもの(毛様充血),があります。
結膜疾患の場合は結膜充血が起こり、虹彩毛様体の疾患の時は毛様充血が起こる |
まぶたを裏返してみると,まぶたの裏側の結膜も充血しています。このような充血は結膜炎で起こります。結膜炎では伝染力の強い流行性角結膜炎,咽頭結膜熱,急性出血性結膜炎の三つについては周囲への感染防止に特に注意が必要になってきます。
(1)接触感染なので,目やまぶたには触れないようにし,他人が触れるようなものには努めて触れないようにする。
(2)学校などは医師の許可があるまで休む。
(3)外出はできるだけ控える。
(4)よく手を洗い,十分な流水で洗い流す。ウィルスは消毒薬に強いため,あまり効果は期待できないが,70gのイルガサンを500ccの70%消毒用アルコールに溶解した消毒液で手を洗うのも一つの方法である。
(5)タオルはもちろん別々にし,風呂は最後に入り,あとすぐ栓を抜いて湯舟は水をかけてよく洗い流す。
(6)目薬は絶対他人に使わせない。
(7)ウイルスは熱に弱いため,タオルやハンカチなど使った物で煮沸できるものは煮沸消毒するのがよい。
(8)学校では,ウイルス性結膜炎であることを養護教諭に報告する。検診時では学校医にも報告しておく。
7日目頃から子供では偽膜ができ、大人では角膜炎が起こる。
2.咽頭結膜熱型(アデノウイルス4型、3型感染)
3.出血性急性結膜炎型(エンテロウィルス70型感染)
球結膜に出血が起こる
(注)
●流行性角結膜炎の感染力が最も強いのは発病後1週間で,その後,日ごとに感染力は低下していきます。
●急性出血性結膜炎の場合は発病後5日で,その後は上と同じように感染力は低下するといわれています。そのため,感染後少なくとも1週間前後は他人に感染する危険性があるために休む必要があります。もっとも,既に感染している場合でも,人によっては症状の程度が異なるため,休む期間が少し異なることはあります。
感染経路図
充血が球結膜の一部分に限られているときは,その充血のしかたで比較的容易に診断することができます。
角膜の周囲の充血がひどく,角膜から離れるほど弱くなりますがまぶたの裏の結膜に充血はみられません。充血の色は青〜紫色に近く,結膜の表面だけでなく深い部分に充血があるように見えるため毛様充血といいます。この充血は,角膜,強膜,ブドウ膜の炎症で起こるため,かなり重い病気もあり,「目が赤いから結膜炎だろう」などと放っておくと,取り返しのつかないことにもなりかねません。十分な注意が必要です。
サルコイドーシスという全身病は,現在でもはっきりした原因がわかっていない難病です。しかし一種の感染性肉芽腫症であることは確かで,リンパ腺,肺,皮ふ,眼などに病変があらわれます。眼症状は本症の約1/3にあらわれ,そのほとんどはブドウ膜炎です。昔はよく,結核と間違われていた病気です。