電子カルテ 導入時の心構え

ペーパーレスにこだわりすぎない

これを言うと「えっ、電子カルテを導入するのに・・・なんで??」と不思議がられますが、一番大切なポイントです。
電子カルテを導入することによって、診療の効率化、サービスレベルの向上といった「業務改善」が望まれるわけですが、完全ペーパーレスにこだわりすぎると逆に不便になってしまい、本来の目的から大きく逸脱しまう可能性があります。
何のために電子カルテを導入するのか良く考えて、「”電子カルテ導入”が目的」ではなく、電子カルテ導入による「”業務の効率化”が目的」であることを常に肝に銘じておくことです。
紙媒体ならではのメリットもありますから、電子カルテを活用するにあたって、場面によってはメモや連絡票、チェックリストなどの紙媒体を活用するなど、無理のない運営をおこなうことが成功の秘訣です。

スタッフのコンセンサスをいかに得るか

スタッフが非協力的であると導入はなかなか大変です。あくまでも「業務の効率化、見直しのためのツール」として電子カルテを導入するという意気込みで取り組まなければ成功しません。 各種帳票類の見直し、業務フローの改善などを考える良いきっかけでもありますので、一方的に押しつけずにスタッフが一丸となって業務改善に取り組む雰囲気づくりが大切です。

充分な準備期間と導入後の見直しも必要

どんなに優れた製品でも、買ってきたらすぐに使えるといった甘いものではありません。
使用薬剤のリストアップ、頻用処方のセット化、頻用病名のセット登録など、自分の診療内容を見直しながら、充分な時間をとって導入準備をすすめることが必要です。
導入後もセット登録やテンプレートの内容を見直して、より使いやすいものに仕上げていくことが快適な診療につながります。

結構お金がかかります。維持費用も考慮してください。

電子カルテ導入には結構コストがかかります。上手に使えば人件費コストが削減できて、経営的に有利なツールにもなり得ますが、便利になる反面、それなりのコストは覚悟しておいた方がいいでしょう。
初期導入費用はもちろん、システムを維持していくのにもそれなりの費用がかかります。購入時には初期導入費用だけでなく、維持費用についても十分に検討するようにしてください。

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パソコンは消耗品と割り切るべき

パソコンは脆弱なものです。HDDのクラッシュ、電源部の不調、メモリトラブルなどの故障や原因不明のエラーなどがある日突然やってくることは覚悟せねばなりません。パソコン端末の平均的な安定稼働の寿命は3~5年程度。強固なサーバーでも5~7年ぐらいを一つの目安にすべきでしょう。

システムダウンに備えよう

どんなに優れた設計で作られたプログラムでも、予期せぬトラブルや動作不良でシステムダウンがあり得ることは覚悟せねばなりません。バックアップをとることはいうまでもなく、サーバーの二重化、予備端末の設置、HUBなどの故障に備えた予備部品のストックなども用意しておくべきでしょう。
あってはならぬことですが、万が一のシステムダウンですぐに復旧できなかったことを想定し、手計算や手書きでも、会計や処方箋発行をおこなえるように訓練しておくのもよいかもしれません。

マスタ設定

導入時の一番重要な作業です。まずは自分の医院と似たようなスタイルをとる医院のものがあればそれを元に自院にあわせてカスタマイズすること。「よく使っている薬の種類・処方セットの組み合わせ内容を書き出す作業」や、「日頃よく使うシェーマのハンコ・帳票類などを用意して、C-Noteで使える画像ファイルにする作業」などがあります。
REMORAをオーダーリングで使う場合は、よく使う病名、検査、処方薬の一覧、検査セット・処方セットなどを使いやすいように並べて作ります。そして、それらを元によくある診察パターンを「病名、SOAP記載(所見・患者への説明文等の下書き)、オーダー(検査・処置、処方)」をひとまとめにできるショートパスとして登録しておくと「診察&カルテ記載」がとても早くて楽になります。
私の場合は基本セット、右眼セット、左眼セット、両眼セット、頻用追加セット、手術セットと区分けして、よくある診察パターンをセット化してありますが、そうすることでクリニカルパス的にスタッフも対応しやすいので、大幅な効率化を実現することができました。また、セットは日々見直していくことで、さらに便利な電子カルテとなっていきます。

端末ごとのFEP設定

キーボードで文章を直接入力をすることが多い端末では「日本語フロントエンドプロセッサ」の環境をきっちり整えておく必要があります。キーボードで文字を入力していく場合、かな漢字変換が効率的にできないと、入力にとんでもなく時間がかかってしまいます。当院では私どもが以前に作った「眼科専門用語かな漢字変換辞書」をすべての端末に追加インストールしています。これをいれておくと眼科診療でキーボードでの文章作成をするのがとても快適になります。 市販のかな漢字変換用の医学用語辞書、ライフサイエンス辞書なども有用です。

C-Note導入でも施設にあわせた設定を!

C-Noteは施設や使用者の好みにあわせて細かい設定がいろいろと出来るようになっています。
逆に言うと、設定一つで評価が大きく変わる面もあります。
同じ施設内でも、Dr用、検査用、会計受付用などで設定を変えた方がいい機能もあります。
(例えばオーダーの自動取り込みはDr用端末以外ではしないなど)

 ※当院でのC-Note環境設定の詳細はこのサイトでも後日アップします。

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