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涙道手術

涙腺で分泌された涙は、目の表面を潤してから、涙道(鼻涙管)を通って鼻の中に流れます。涙道は細くなっている部位や曲がっている部位があり、様々な原因でその部位が閉塞することがあります。

通りが悪くなると、涙がたまってこぼれやすくなったり、目やにがでるのが続いたり、ひどくなると膿がたまって涙嚢炎をおこし痛くなって腫れるといった症状がでます。 涙道閉塞が長く続くと、炎症や化膿による癒着を生じ、閉塞部の治療が難しくなります。

涙道手術について

治療方法

まず涙道内視鏡を使って涙道内を検査します。続いて狭窄している部分を拡げますが単に拡げただけでは涙道はすぐにまた閉じてしまうため、涙管チューブを留置して涙道を拡げる手術(涙管チューブ挿入術)をします。涙管チューブは留置してから約2 ヶ月程度で抜きます。挿入したチューブは外からはほとんど見えず、日常生活も問題なく行えます。

もし涙道が閉塞している場合は詰まっている箇所によって、涙小管形成手術もしくは涙嚢鼻腔吻合術をして涙管チューブを留置します。

当院では最新型の涙道内視鏡を導入しました。内視鏡の先端が0.7mmとさらに細く改良され、LED光源と高精細カメラにより、涙道内部を詳細に確認しながら施術することができるため、より正確で痛みの少ない治療が可能になりました。


  • 涙道内視鏡装置

  • 涙管チューブ

涙道が完全に閉塞している場合や再閉塞をきたしやすい場合は涙嚢鼻腔吻合術をおこないます。涙嚢鼻腔吻合術には皮膚の切開が必要な鼻外法、涙道内視鏡でおこなう鼻内法があります。当院では低侵襲で患者さんの負担が少ない経涙小管レーザー鼻内法での涙嚢鼻腔吻合術をおこなっています。

費用

種類 3割負担の方 2割負担の方 1割負担の方
涙管チューブ挿入術(片眼) 約15000円 約10000円 約5000円
涙小管形成術(片眼) 約54000円 約36000円 約18000円
涙嚢鼻腔吻合術(片眼) 約78000円 約52000円 約26000円
  • ※後期高齢者( 一般)は月額上限18000 円
  • ※住民税非課税世帯は月額上限8000 円
  • ※つまっている箇所によって、手術の形式が変わります。
  • ※ほとんどの方が涙管チューブ挿入術のみで対応できますが、状態により適切な術式を選択します。

手術時の注意事項

  • 手術中は鼻や口の中に生理食塩水や血液、麻酔の液体が流れてきます。少量なので飲んでも問題はありませんが、口からガーゼに出すこともできます。涙道から流れてきた麻酔の影響で、のどにも麻酔がかかりますので、術後1時間位して麻酔効果が切れてから、うがいや飲水を開始してください。
  • 手術後は眼帯をしますので手術当日は車・バイクの運転は控えて来院してください。
  • まれに涙道内の状況によっては涙道内視鏡で中を検査するだけで手術を中止することがあります。その場合は麻酔と涙道内視鏡検査料のみの負担で手術費用はかかりません。
  • 手術直後は一時的に麻酔の影響で眼球の動きが鈍くなり上下に物がずれて見えたり見えにくかったりすることがあるため、片目に眼帯を付けてお帰りいただきます。帰宅後は眼帯不要です。
  • 手術当日は日常生活以上の運動は控えてください。
  • お風呂は首から下は可能です。食事の制限はありませんが当日飲酒はできません。
  • 翌日からは洗顔・洗髪・運動・お風呂・飲酒・化粧も制限はありません。
  • 手術後数日は鼻水や涙に血が少量まじりますが、心配ありません。
  • 1ヶ月程度で涙や目ヤニが減ってきますが、チューブが入っている間はゴロゴロすることがあります。
  • 麻酔の注射をした部分が内出血で赤紫になることがありますが数週間のうちに軽快します。

特別外来のご案内

当グループでは涙道手術の特別外来を新見眼科にておこなっています。(毎月第3木曜日午後 ※都合により変更となる場合があります) 担当医の岩崎明美先生は涙道内視鏡手術のスペシャリストで、全国各地の眼科施設から招聘され、いくつもの施設で涙道手術をおこなっておられます。

岩崎明美 先生

略歴

群馬大学医学部卒業。その後、深谷赤十字病院、前橋赤十字病院、群馬大学附属病院、宮久保眼科勤務。大喜多眼科院長。

特別外来 受診の流れ

  • 医新会グループ各施設で診察
    まず医新会グループ各施設で診察を受けてください。各施設の医師により事前の相談を随時おこなっています。その際に特別外来の予約と事前の血液検査を行います。
  • 岩崎先生による診察
    岩崎先生による診察を受けます。手術適応の場合、医師およびスタッフによる説明を行います。ご納得された場合、同意書にサインを頂き、手術となります。
  • 手術
    岩崎先生による涙道内視鏡手術をおこないます。通常の場合は15分程度の処置になります。
    涙管チューブ挿入術の場合、手術後の診察を約1週間後におこない、その後はチューブ抜去までの間、約2週間毎に定期検診をおこないます。定期検診は当グループ各施設の医師が対応します。
  • 抜去
    シリコンチューブの抜去は約2ヵ月後になります。抜去時に涙道内視鏡検査をおこないます。

対応可能な施設

担当医


  • 岩崎明美 医師

  • 新見浩司 医師

  • 吉田達彌 医師